チャイコフスキーに援助した謎の女性の存在

公開日: : 最終更新日:2017/08/18 雑学

チャイコフスキーはロシアを代表する作曲家の一人だ。もともと音楽一家出身というわけではなく、ウラル山籠の鉱山町ボトキンスで鉱山監督官の家にうまれた人物である。しかし彼は作曲家として、幻想序曲、ロミオとジュリエット、ピアノ協奏曲第一番、バレエ音楽、白鳥の湖などの不朽の名作を残した。ただ、彼の成功の裏には謎の女性がいたことは、あまり知られていないのではないだろうか。

彼は一八五二年にペテルブルグの法律学校に入学し、卒業後は法務省に九等文官として職を得た。彼は幼少の頃よりピアノを学んだり即興演奏を楽しんだりしていたが、法律学校時代に声楽、ピアノ、音楽理論などを本格的に習得した。彼はニコライ・ルービンシテインと劇作家オストロフスキーの主宰する、芸術家のサークルを中心に、作家、詩人、音楽家、俳優、学者などに多くの知遇を得て環境もよかったが、さらに財政的にも恵まれていた。

実は一八七八年以来、裕福な未亡人フォン・メック夫人から経済的援助を受けるようになったのた。彼女は鉄道経営者の妻で、夫が他界した後に鉄道会社の経営を切り盛りしていた才女だった。裕福な未亡人にとって、チャイコフスキーほど優れた音楽家が、なぜ経済的な苦難のために作曲に打ち込めないかが理解できなかった。そこで、夫人は彼が創作に専念できるようにと、バイオリンのための楽曲を作って欲しいと多額の報酬で依頼したのだった。

作曲に対する報酬があまりにも膨大だつたので、チャイコフスキーはやがて彼女が経済的な援助をしていることに気づいた。夫人との交際はそれから十四年間も続いたが、なんと結局二人は一度も会うことがなく言葉も交わさずに、文通で付き合うだけだった。チャイコフスキーの成功は、まさに才能と幸運によるものだったと言えよう。

巨大壁画を独力で描いたミケランジェロ

ミケランジェロはイタリア・ルネサンスを代表する芸術家である。彫刻・絵画・建築の諸分野に優れ、ルネサンスの総合的天才の典型例として知られる。ミケランジェロは実力者だったわけだが、元々は彫刻家として成功した人物だった。それにも関わらず教皇ユリウス二世はシスティナ礼拝堂の天井画をフレスコ画法で描けとミケランジェロに命令したのである。

ユリウス二世がなぜミケランジェロにそう命じたかは定かではないが、王の命令は絶対であり、ミケランジェロは仕事を断れなかった。当然ながら彼は悩んだ。しかもミケランジェロの名声が確立した後なので、絵を下手に描くわけにはいかなかった。その上、礼拝堂の天井は広く、多数の絵を描かないと埋め尽くせなかった。そして天井画なので、絶えず天を仰いで描く体力、忍耐力、精神力が長期間必要となる。

しかしミケランジェロは天井画の製作に入った。また、その製作期間は、なんと一五〇八年から一五一二年まで四年半にもわたっていた。そして驚くべきことに、ミケランジェロは、創世記の諸場面とその周辺の場面のほとんどを独力で描き上げたのである。その後の一五三五年、今度は新教皇バウルス三世がシスティナ礼拝堂の祭壇側の壁に、最後の審判の壁画製作を命じてきた。するとミケランジェロは初老になっていたにもかかわらず、一五四一年に独力でこの大壁画を完成させた。それゆえシスティナ礼拝堂は、ミケランジェロの芸術性と人生が凝縮された建築物だといっても過言ではない。

2・26事件-ラジオから流れた「兵に告ぐ」

・ラジオから流れた兵に告ぐ

市民の大部分がまだ寝床の中にいる午前五時。前夜から降りつづいた雪は、東京を白一色でおおいつくしていた。昭和十一年(一九三六)二月二十六日。皇道派青年将校が約千四百名の部下をひきい、昭和維新を叫び、クーデターを決行した。決起軍は政府要人を襲撃し、さらに首相官邸、陸相官邸、陸軍省、警視庁、山王ホテルを占拠した。いわゆる二・二六事件である。しかし翌二十七日、東京に戒厳令が敷かれ、二十八日には反乱部隊に対する武力討伐命令によって、約一万四千名の大軍で包囲されてしまったのである。こうして一二月二十九日、ラジオからは兵に告ぐ。今からでも遅くはない。原隊に復帰せよという有名な文句が何度となく流れ、夕方には無血鎮圧された。

・御馬揃えと山内一豊の名馬

御馬揃えは家臣を集め、馬に乗って行進するのを閲兵する行事で、公家社会に対するデモンストレーションの意味もあった。この御馬揃えで、山内一豊は数日前に買ったばかりの名馬に乗り、信長の目にとまった。一豊はそれほど裕富ではないのに、なぜ名馬を買えたのか。天正九年(一五八一)のこの日、織田信長は京の御所東門外の馬場で、正親町天皇を招き、御馬揃えを行なった。ある男が十両で売りにきた天下無双という名馬を見て、一豊は欲しいと思ったが、金がない。家に帰って残念そうに妻に話すと、妻はお買いくださいといって、鏡の引き出しからへそくりの十両を取り出し、一豊に差し出したのである。よく知られる山内一豊の妻のエピソードだ。

徳川光圀、大日本史に着手

水戸黄門は、本名を徳川光圀といい、若い頃は才気換発で、歴史への関心も高かった。水戸黄門といえば、テレビの時代劇では全国を漫遊して歩くが、これはあくまでも創作。寛文十二年(一六七二)に史局を小石川の水戸藩邸に移し、彰考館と名づけた。明暦三年(一六五七)のこの日、三十歳の光圀は神田の水戸藩別邸に史局を設置し、大日本史の編纂事業をはじめた。元禄十一年(一六九ハ)には水戸城内にも彰考館がおかれ、極的に編纂事業が進められた。慶安三年(一六五O)、林羅山が本朝通鑑をまとめ、幕府に献上したことに影響を受け、独自の史書をと考えたらしい。しかし、この大日本史が完成したのは明治二十九年(一九〇六)で、なんと十二代二百五十年もかかったことになる。

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