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医療

食べるほうが辛い食事制限

投稿日:2015年4月2日 更新日:

彼は手術の必要もなく3日後には退院の予定なのに、その顔色はふつうではない。どうしたことかと看護婦がたずねるとKさん、今にも泣きだしそうな声で、病室を変えてくださいと、訴えはじめた。夕食後まもない内科病棟のナースセンターに、憔悴しきった表情の入院患者がやってきた。胃潰瘍の検査治療をしているKさんである。

Kさんの部屋は2人部屋で、相棒は温厚な性格のSさんである。あまりの深刻な表情に、看護婦は思わずわけを聞いた。問題なのはこのSさんで、Kさんがその異様な事態に気づいたのは、検査のための食事制限がなくなり、普通食になった翌日のことだった。

デザートに出てくるババロアに手を伸ばしたとたん、ただならぬ気配が漂っているような気がして、ふと隣のベッドを見た。すると、Sさんがじい〜っとKさんの手元を見つめているのだ。ア然として動きを止めたKさんの表情にも気づかず、Sさんは鬼気迫る表情で、目はババロアから寸分も動かない。すると、その視線は、スプーンと、その先ですくったババロアを、ただひたすらに追っている。不審に思ったKさんは、食べながら、ちらちら横目でSさんを見た。

食べるのが怖くなった

実は、このSさんは糖尿病。Kさんの食事にデザートがつかない日なら、Sさんも平静でいられるようだが、2回に1回の割合で出てくるプリンやヨーグルトを見ると、まさに食い入るように見つめてしまうのである。食事も厳しく制限され、デザートはおろか、甘いものは全く出ないといっていい。Kさんは、これ以上食べるのが怖くなった。

怖いっすよ、助けてくださいよ。Kさんはひたすら訴えるが、急にいわれても空いたベッドはない。一度などは、あまりにもすごい形相で見つめられ、手にした乳酸飲料を落としてしまった。が、Sさんは床にこぼれた液体をなおも、じい〜っと見つめ続けていたのだ。

しかたなく、病院側はKさんの食事からもデザートを抜くことにした。ただ、食事が終わると、Kさんはふらりと病室を後にする。が、Sさんが怪しむほどのことではない。実はその後、Kさんはナースセンターの片隅でひそかにデザートを楽しむことになったのである。

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