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コミュニケーション

自然に誘発させる会話のテクニック

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前とくらべるとぐっと要領がよくなっています。W氏はとっさに、自分はこの辺で口火をきる役目を終えて、質問しないほうがいいかなとも考えたのですが、「すると大変な地主ということになりますが、今でもそうなんですか」ともうひと言聞いてみました。すると課長は氏の顔を正視して、「いえいえ、今はとてもとても」と答えました。W氏はこれで安心しました。

「私などもその最たるものです」「しかし、由緒ある家ではないですか」「いや、ただ古いだけです」「昔のものもまだたくさんおありでしょうね」「ええ、あまり手入れはしておりませんが」け「私、もしよろしければ一度拝見させていただけませんでしょうか」「はアどうぞ」「今は家系図のある家など珍しいですよ。古いものは味がありますからね」「そうですわ、私大好きですの。古いものを見るのはとても楽しみですわ」お気づきでしょうか。W氏の質問は、はじめのうちは答えを要求する形をとっていましたが、座の気分がゃわらぐと見るや、合づちを打つようにして、答えを自然に誘発させる方向に向かっている。

彼女の思いきりのよい介入が、課長の口を急に滑らかにしている。いえいえとてもとてもと言葉が重複してきたのは、課長に心理的なゆとりが出てきた証拠です。W氏の顔を見ながら、「いえいえ、今はとてもとても」と答えたのは、課長の緊張がとけて、自然な会話の状態に入ってきた心のあらわれです。

彼女が切り出しました

「あの私、祖父から聞いた覚えがあるのですが」彼女が切り出しました。「はあ」W氏は少しホッとしました。「今、おいでになる時、途中に小さな川がございましたでしょう」「ああそうですか、気がつきませんでした」「ここから三百メートルぐらいのところにあるんですけれども、そこまでが」「はあ、確かに昔は私の家の土地だったんです。
あの川は用水でして、七代目か八代目が江戸時代の末に造ったと聞いております」話とはこんなものです。

今の場合必要なのは、いいえ今はとてもということなのですが、もし課長が緊張したままだったら、恐らく下を向いて低い声で、いいえ今は違いますとでも答えたことでしょう。どうもそれ以来、わが家には傑物がいなくて、財を守るに精いっばいで、ふやすことはなかったようで、むしろ減るいっぽうです。まず何はさておき相手の話を聞いてあげよう。これがW氏の基本の態度です、とのこと。

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