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心理学

理屈ではわかっても動けない

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たいせつなのは、いちいち「心からの行動だろうか」などと反すうすることでなく、自分や他人もみんなのために正しいことだから行動すること。ただ、そうかといって、心を問題にしないで、行為理念や実践理念ばかり追っていても、ホンネとタテマエが分離してしまって、自己疎外、虚偽を生み、あるいは「理屈ではわかっても動けない」ということになる。

カウンセリングや、その他の教育実践において心への介入がなされるにしても、それは基本的には、あるがままの心(人間)の受容に立ってのこと。だいたい、いくら私が心からの行動を重んずるからといって、そんな心の赴くままに生きられるような世の中でもありません。真実の心ということにとらわれてしまうと、感覚主義の迷妄としてのべたように、気分屋にすぎなくなることもあります。

あるがままの心を受け入れることと、心のあり方を玲味探索することは、一見矛盾することのようですが、そこに人生の奥義があるといえるでしょう。あえていうならば、ありのままの自分でいながら、自分の中にあるよきものを育てていく努力だともいえるでしょうか。それは煩悩と汚点と人類の苦悩の中においても、それを見すえつつ希望を失わないことといえるでしょう。

自分のあるべき姿のことを真剣に考える

不幸な人々のことや、自分のあるべき姿のことを真剣に考えることと、自分の自然さのままに大らかに生きることとが、最後には矛盾でなくなる。そのとき、自己実現や自己超越ということが、同時に閉ざされた欠点、弱点だらけの現実の煩悩の営みを受け入れることなのだということがみえてくるのではないでしょうか。

自分の純粋さや自己超越さえ、それに執着することは、やはりひとつのこだわりであり、不自然です。しかしそうした不自然な努力を経てこそ、より高い自然さへと向かえる場合のあることもたしか。

どんなにすばらしい自己超越の世界をもっている人でも、一面では欠点だらけであり、不安や恐怖にとらわれ、弱さを露呈します。あるいはそういう人ほど、心の中の矛盾に敏感であるがゆえに、いっそう汚い弱い自分をさらすことにさえなるかもしれません。

-心理学

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