雑学まとめ

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コミュニケーション

日本人の曖昧な表現

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「あの門も瓦も昔のままだそうですの」「ほう、すると関東大震災にも、戦争にも大丈夫だったわけで」「昔のことは存じませんが、私の子供の時から今まで、建てかえたという記憶はございません」「ほう、子供の時から」「はあ」「すると二十年間は経っているわけですな」「まあ、私、そんなに若く見えまして。ありがとうございます」ふたりは声を合わせて笑いました。「お宅の紋は梅鉢ですか」「はあ?」「いや、門の瓦に、梅鉢が描いてありましたんでね」「ああ紋章のことでございますか」ハッハ、こりや失礼しました。門の紋ですな。どうも日本語は不便です」「まあ」彼女ははじめて軽く笑いました。

課長が小さく、ははは、と口の奥で笑いました。「あなたの家も、このあたりの旧家だそうですね」「はあ、昔、庄屋をしていたそうです」「すると何代目のご当主になるんですか」「ええと」課長は口のなかでモゴモゴ言いながら、指を折って勘定しはじめました。W氏はがっかりしました。何という要領の悪い男だろう。

日本人の話の曖昧さ

日本人の話の曖昧さ、つかみどころのない要領の悪さは、日本の風土そのものの影響があると考えている学者もあります。「お宅はこのあたりでも、かなり古くからお住いになっているんですか」「はあ、この家を私の祖父が建てましたころは、このあたりはまったくの武蔵野の林だったそうでございますわ。あの庭に見えます大きな木は、その当時のままだそうですの」まったく非の打ちどころのない話し方です。

外国語でも、流行語でも、何の抵抗もなしに日本語のなかに入ってきてしまいます。よく言えば融通がきき、悪く言えば言葉の主体性に乏しいのです。四季温暖で、自然の輪郭もおだやかです。当然そこに住む人々の気持ちにも、厳しさが欠けていて、それが言葉にも反映して、言葉の遣い方が曖味で具体性に乏しくなってしまいました。

このように視覚に訴え、さらにまるで手に触れでもするように、触覚的に話すのはまことに大切なことです。彼女の答えは、手近に見える木を直ちに例にしっかりと植えつけることに成功しています。数行の言葉のなかに手にとるようにその有様を描くことができます。

-コミュニケーション

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