ナポレオンにはピンからキリまである

公開日: : 最終更新日:2017/08/18 雑学

海外旅行者の土産品として人気の高いのがブランデーのナポレオン。高級なイメージがあるところから喜ばれているのだが、ナポレオンにもピンからキリまである。キリのほうのナポレオンを土産にもらってありがたがっていたりすると笑われてしまうので、用心したほうがよい。ナポレオンというと一つの銘柄と考えがちだが、フランスにあまたあるブランデー会社が、それぞれ自社の高級ブランテーにつけている呼び名なのだ。

その由来は、ナポレオン皇帝に二世が誕生した1812年もののブランデーに、当時のコニャックメーカーが敬意を表してつけたのが始まりだと言われている。この後、他のメーカーにも自社製品の中の高級品にナポレオンの名をかぶせる流儀が広まり、現在に至っている。だから、3000円クラスのブランデーでも、それが自社の高級品であれば、ナポレオンの呼称をうやうやしくつけるのだ。ちなみに、コニャックとは、フランスのコニャック地方で作られたブランデーのみを指し、高級ブランデーの代名詞となっている。

ナポレオンという名前は、歴史上の彼がブランデーを愛飲したことから、多くのメーカーが使っている。ブランデーの熟年年数を示す符号として、ラベルにうたわれているナポレオン1世の名。

ブランデーは、有史以前の歴史をもつワインに比べて、比較的新しいお酒。本格的な産業へと発展するのは17世紀半ば。ワインを蒸留し、品質が低いワインを出荷するよりはブランデーとして売り出す苦肉の策を決行。

禁酒法が生きている地方

アメリカの西部劇やハードボイルド映画に欠かせないのがバーボン・ウイスキーだ。タフなヒーローが、ウィスキーを口に運ぶシーンにしびれるファンも多い。アメリカン・ウイスキーを代表するバーボンの歴史は古い。イギリスをはじめとするヨーロッパの人々が、新大陸アメリカに移住していた17世紀までさかのぼれる。これらの西部開拓者たちは、開墾や放牧の過暗な労働の後、疲れを癒す為に酒が必要だった。そこで彼らは、この地で収穫されるライ麦やトウモロコシを原料にしてウイスキーを作るようになった。これがバーボン・ウイスキーの始まりである。

独立戦争の時、ウイスキー税が課税されることになり、これに不満を持った農民醸造家たちが、ウィスキー暴動を起こす一幕もあった。やがて彼らは、行政の手の届かない未開拓の南インディアナ州やケンタッキー州に移住し、ここで本格的なアメリカン・ウィスキーの醸造を手がけるようになったようだ。

1920年、あの悪評高い禁酒法が成立したが、密造とアンタッチャブルでお馴染みの、アル・カポネを代表とするギャングの荒稼ぎを助長しただけで、1933年には同法が廃止された。ところが、この禁酒法がなお生き続けている町がある。テネシー州リンチバーグである。リンチバーグと言えば、バーボンを代表するジャックダニエルの工場がある土地でもある。有力な地場産業だから、ウイスキー工場で働く労働者も多いし、ジャックダニエル直営のレストランもある。しかしメニューには、アルコール類が一切ない。

モハメド・アリの名は差別からの決別の証

これまで活躍した世界のプロボクサーの中でも、とりわけ有名な人物といえば一九六四年に世界へビー級チャンピオンとなったモハメド・アリだろう。モハメド・アリという名前がすっかり有名になり、すっかり忘れ去られてしまったが、彼は世界の王者になる以前は、カシアス・クレイという名前だった。さらにホラ吹きクレイの二ックネームをつけられたが、彼はこの二ックネームをいやがっていたのだ。

そこで彼は、カシアス・クレイという名を捨て、自分で選んだ名前に変えようとした。これはたんにニックネームがいやというだけでなく、アメリカの奴隷の歴史に決別するという意味があった。もちろんアメリカの奴隷制は、リンカーンの奴隷解放によって絡わりを告げている。だが自由の身になっても、アフリカ系アメリカ人たちの名前は英語の名前であり、かつてアフリカの祖先がもっていた名前ではない。

その英語の名前はといえば、かつて奴隷所有者たちが奴隷たちに本来の名を名乗ることを禁じ、代わりに与えた名前である。アリはカシアス・クレイという名を、奴隷名として、白人への従属性やそれにともなう屈辱から解放されるためには、この奴隷名を捨てる必要があると考えた。そこで世界へビー級王者になったのを機会に、それまでの名を捨て、大いなる称賛に値する者という意味のモハメド・アリに変えたのである。

ゴルフのバンカー

ゴルフコースのところどころに作られている、バンカー。芝や土を取り去って、代わりに砂を入れてつくられた区域のことで、地面が砂で覆われたところでもバンカーとしてつくられた場所でなければ、バンカーとは呼ばない。つまりバンカーは、人工的につくられた砂地にかぎられるのだが、これは現在の話でゴルフの初期には違っていた。

バンカーはもとは自然にできたものだったのである。そもそもゴルフは、もとは現在のようにゴルフコースとしてつくられた場所ではなく、自然のなかでうまれたものだった。スコットランドの海岸沿いでは、自然の緑地帯が市民の遊び場となっていたのだが、ゴルフはそこで自然発生的におこなわれるようになったスポーツだったのだ。

そこでは北海から吹く強風により、ところどころに砂地がえぐられた窪みがあって、ハザードとなった。この自然が作ったバンカーは、ナチュラルバンカーと呼ばれた。ナチュラルバンカーは、現在の人工的に作られたバンカーとは比べものにならないほど、プレーヤーにとって厳しいものだった。ともあれ、これら自然にできたバンカーをヒントに、いまでは人工的にバンカーを作るようになったわけだ。

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