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心理学

何事もなかったかのように

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愛想よく、妙にいちゃいちゃして、その男性社員とべタべタ親しげに話し合っている。ときどき橋声を上げて笑ったりもする。あるとき、夜十一時過ぎに研究室のコンピュータにインプットしていた研究生が、研究室を出ようとして廊下で怪しげな人影を見かけた。どうやら女の人の気配だ。

セミナー産業のマネージャーはハイハイと言って、何とか出席者を増やそうと算段している。「国立研究所の部長があんなセミナー産業で儲けていいのかしら」とA子さんは思った。しかも、そのときのセミナー屋さんとやりとりしているB部長は、A子さんに威張っているB部長とはまったく別人のようだ。

「なんでこんなさびしいところに女の人がいるのだろう」と、思わず「どなたです」と声をかけた。びっくりしたような、戸惑ったような顔をして振り向いた人は、なんとB部長であった。「部長、こんな時間に何でこんなところにいるんですか」、「いえ、ちょっとね。忘れものがあってとりに来たのよ」という返事。

B部長は何事もなかったような顔をして

B部長は何事もなかったような顔をしてご出勤になった。その研究生には目もくれない。そして、しきりに別の職員にお説教している。「あなた、国立研究所の職員は研究費関係の書類をきちんと管理することが至上命令なのよ。何よ、あなた、うちへ持っていったそうじゃない。

部長室とかその辺をずいぶん引っ繰り返して探したらしい形跡がある。だんだんわかってきたのだが、B部長はお役所への研究費の申請書類をどこかに紛失してしまったらしい。「それがタクシーの中なのか、電車の中なのかあるいはここに置き忘れたんじゃないかと思って探していたのよ」と真っ青な顔をして言う。

そんなことしたらだめじゃない。もし紛失でもしたらどうするの研究生は、何やらあの部長、自分のことを怒っているみたいだと思ったが、昨夜の本人といま怒っている本人はまったく別人格だ。B部長にはときどきこういうことがある。絶対守るべきだと人には厳しく主張していることを、肝心のご本人が守れなくて大きなミスをする。あまりにも主観の中で暮らしているので、書類とか、人から預かった本などが、すぐにどこかに行ってしまう。

-心理学

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