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恋煩いの症状に戸惑う

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恋煩いの症状に戸惑う。
もう二年も前になる。夫婦とはそんなにも強い結びつきがあるのだろうか。まだ亡くなった奥さんのことを思いつめているのだろうか。「どうしたんだろうあの男は」部長のW氏はタバコの煙をとおして課長の横顔を見ています。明らかに彼は他の事を考えています。背中の線が固く突っ張っています。両手を机に突いて彼が腰を上げた時、W氏はあわてて目をそらしました。高い頬骨からげっそり落ちる頬にかけての線が、実直そうなその男の性格を示しています。

机の上に置いて両手を組み合わせ、さっきから文書を読んでいるのですが、その目が一向に動きません。家はかなりの資産があり、その邸宅はこの中流出版社の社長の家よりはるかに広いと噂されています。「部長、ここへ判を」低いぼそぼそした声です。浮き沈みの激しい出版社よりも、公務員にでもなっていれば、その真面目な性格がある程度の地位を確保させたでしょう。その夜、安直にノレンをくぐった店で、課長の話を聞いた時、W氏は危くヤキトリの串でノドを突くところでした。

何故か課長はびくっとしました

「今夜、暇かね」「えっ」何故か課長はびくっとしました。「は、はあ」「どう久しぶりに」W氏は左手で飲む真似をしました。その時、課長の顔にかすかに血がのぼったのを見逃しませんでした。何と課長は恋わずらいだったのです。近ごろ元気がないようだけど、どうしたというW氏の問いに、体をこわばらせていた彼が、しばらくの沈黙の末、「実は私ある女性が好きになってしまったんです」と、告白すると彼は、急に重荷を下ろしたようにがくんと肩を落としました。W氏もすぐには言葉が出ない。相手の女性というのは、彼の亡妻の茶道の友達で、彼の家とはすぐ近くのかなりの家の令嬢とのことでした。

「まったくお笑い草です」「いや、笑いはしませんよ」「いえ、構わないんです。自分でもどうかしてると思いますでも何て言うのか」「わかった。結構じゃないか。人生はこれからですよ」。奥さんの生前は、ほとんど気がつかなかったが、会葬にきてくれたのでお礼に伺ったところ、たちまち頭にきてしまったとのことでした。それもそのはず、その令嬢も一年ほど前に建設現場の事故でご主人を失い、泣く泣く実家へ帰ってきたという共通の身の上話がきっかけらしい。色々あるものですね。

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