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心理学

恋人と過ごす時間

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彼が公園でふと足を止め、春の新芽を指さしたときのこと。ドリンクをつくっているとき、彼女がぽんとレモンを放ってくれた夜。愛に取り憑かれた人にとって、そうしたなにげない瞬間が息づくものだ。

橋には、彼女の金髪が何本か絡まっていた。ド・トロアはこう書いている。「彼はその髪の毛をあがめるようになった。何百回も、何千回も、目で、口で、そしてほおでその髪に触れたのだ」。元樹はこう苦悩した。「どうしても片づけられないあの竹ござきみをわが家へ連れ帰ったあの夜きみが広げた竹ござだから」元種にしてみれば、あらゆるものが彼女を象徴していた。

恋人と過ごした時間を思い浮かべるだけで愛おしさがこみ上げてくる、という人なら何十億といるだろう。九世紀、中国の元績が詠んだ竹ござという詩のなかに、そんな感動的な例を見ることができる。

「恋する人間はその情熱ゆえ彼女の欠点までをも愛してしまう」とモリエールが感概をこめて語っている。まったくそのとおりだ。なかには、その欠点ゆえに相手を愛おしく思う人もいるくらいなのだから。

恋人の長所にたいしては

恋人の長所にたいしては、現実をはるかに超えて評価し、溺愛する。心理学者が「ピンクレンズ効果」とよぶように、色メガネを通して見てしまう。

一二世紀にクレティアン・ド・トロアによって描かれた物語ランスロあるいは荷車の騎士のなかでも、恋の情熱にともなう同じような例が登場する。物語のなかでランスロは、グイネヴィア王妃が随行者とともに通り過ぎた道端に、彼女の橋が落ちているのに気づく。

起きている時間の八割は恋人のことを考えている恋愛のおもな症状のひとつが、愛する人のことをのベつまくなし考えてしまうという。

恋に心酔しきった人間は、愛する人を過大評価し、なんでもないところを大げさにほめちぎったりする。しつこく訳かれれば、ほとんどの人が恋人のきらいな点をあげることはできる。ところが彼らは、そうした一面は大目に見たり、欠点は個性であり、逆に魅力的だ、と自分にいい聞かせてしまったりする。

-心理学

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