雑学まとめ

当サイトでは、明日すぐに友達に話したくなるような、あらゆる情報を紹介しています。

医療

大企業の集団検診で達人の域に達する

投稿日:2015年5月16日 更新日:

R氏とて検診医の経験もあるにはあるが、それだって近所の小学校だけ。大企業あげての集団検診など、今回が初めてである。ある地方の病院からこの春、都内の総合病院に赴任してきたR内科医。以前いた病院は、個人病院に毛が生えた程度の規模だったから、ここへ来てからというもの、見るものすべてびっくりすることばかりだった。施設、患者数、システム、覚えることが多すぎて、まじめがとりえのR氏の毎日は、目まぐるしく過ぎていく。相手は従業員2400人を数える家電メーカー。本社近くの体育館を借り切っての検診は1日がかりだ。次から次へとわき出てくる患者たちを相手に、目の回るような忙しさ。

気がつけば、耳のあたりがなにやらしくしく痛む。触ると熱をもっているようだ。なんと、長時間聴診器をしていたために、耳の穴がこすれて血がにじんでいるではないか。消毒液を湿したガーゼでしばらく冷やしてから、席に戻り、なにげなく隣の同僚を見てR氏は驚いた。なんと耳の穴につながっているはずの彼の聴診器の端は、耳のすぐうしろにあてられ、しっかり首からぶら下がっているのだ!つまり、彼は聴診器を耳に差し込んでいないのである。

君は達人ですねえ

上学生の頃、臨床実習で、あまりの緊張に、R氏も同じようにはからずもそれをやったことがある。そのとき教授に皮肉を込めてこう言われたものだ。君は達人ですねえ、聴診器を耳に差さずに胸音が聞けるとは。あれでどうやって胸音が聞こえるのか?はっと気づいて、R氏は思わずつぶやいた。達人だ。集団検診など、達人の境地でなければやっていられないかもしれない。社員数千人の大会社が一挙に検診なんてことになれば、それもあたりまえかもしれないが、ある医者に言わせると、年に1回行われる会社の健康診断などというものは、実はあまり信用できないものらしい。

レントゲン写真にしても、ものすごい数のピンボケ写真を医者はほとんど流れ作業で診ていく。万が一、それで異常が見つかったのなら、相当運がいいか、相当悪いかのどちらだろう。病院の経営上、あまり細かいことは言ってられないというのが現状らしいのである。医者のほうだって、もちろんそれがいいとは思っていない。けれども、この会社の検診というお仕事、病院側からすれば、機材がそろってさえいれば経費は一切かからないから、かなりの収入源にはなるようである。

-医療

執筆者:

関連記事

no image

人間ドック・検診の先生が収入を増やしたいならここしかない!

健診・人間ドッグの医師の求人は比較的増えてきているそうです。とはいえ、もともと健診・人間ドッグの医師の求人自体がそれほど多くはないので、他の科に比べると少ないです。 健診・人間ドッグは、春の検診シーズ …

no image

いろいろな流派の精神医学の勉強ができたのはありがたかった

精神医学の世界で非常に勉強になり、現在の治療に自信を持てたり、本を書くうえで役立っているだけではない、勉強の楽しさを知った、とある医師は語る。高校三年生の受験生のときに、要領のいい勉強法に目覚めて、成 …

no image

研修医不足と無責任な話

研修医不足と無責任な話。 本来、研修医については、基準として、研修医二・五人について一人の指導医がつく。そして研修医というのは、まだ医者の卵で半人前である。指導医がちゃんと指導しているなら、研修医が来 …

no image

抗原提示細胞活性化物質粘膜アジュバント

効率よく粘膜免疫を体につくらせるためには、タンパク質である不活化抗原を用いて、抗原とともに感染の信号が必要になります。 抗原に加えて抗原提示細胞の活性化物質である粘膜アジュバントが必要です。経鼻接種ワ …

no image

医者に質問-先生は休憩や食事などは取っているのですか?

教室での勉強から病院での実地学習が始まり、医者の実態がわかりかけてきた時期のこと。ある医学生が病院の実習で、先輩に呼びだされて、何でこんなときに?と思うこともあのでしょうか?と聞いたそうです。その先輩 …