ファッション

毛皮を着るくらいなら裸の方がましと書かれた横断幕

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毛皮に断固反対していたはずの人々も、ファッションのために気が変わったらしい。いち早く心変わりしたのは、スーパーモデルのナオミ・キャンベルである。一九九四年一月、彼女は他のモデル四人とともに、フランス語で「毛皮を着るくらいなら裸の方がまし」と書かれた横断幕だけを纏った姿でパリに現れた。

そして、PETAのスポークスパーソンとして『デイトラインNBC』や『MTVニュース』といった番組で発言し、この団体のカタログの表紙にも登場した。また、「思いやりのあるモデルたち」を名乗って嘆願書にも名を連ね、決して毛皮のモデルはしないと約束していた。それが、一九九七年三月七日、ミラノで行われたフェンディの秋冬コレクションで、バカでかいロシアン・セーブルをまとってランウェイに登場し、大論争を巻き起こしたのである。

「毛皮は死んだわけじゃなくて、人気がなかっただけなのよ」。こう語るのは、国際毛皮業界のニュースやトレンドを報じる週刊のニューズレター、『サンディ・パーカー・レポート』の発行者であるサンディ・パーカーだ。ファッション・ショーで八年代のリバイバル傾向が最高潮に達した年に毛皮が復活したことは、大いに納得がいく。

モールスキンのパンツ

毛皮は、一万ドルのチンチラ・コートから一五ドルのラビット・カフに至るまで、あらゆる価格帯で市場に登場した。なかには、毛皮人気の一時的落ち込みは、毛皮を着るのはいけないことだという意識によるものではなく、単にいっとき毛皮がはやらなくなったというトレンド上の問題だと論ずる者もいた。

たとえば、ヴェルサスのショー。ドナテッラ・ヴェルサーチはジゼル・ブンチェンにライクラを使ったターコイズのタイトなドレスを着せ、大きく逆毛を立てた髪と真っ赤な日紅でけばけばしいネオンの時代を彷備とさせていた。同様に、マックスマーラはオフィスウェアに八年代の雰囲気を出した。

ベルトを緩く締めたカーディガンに、だらんとしたモールスキンのパンツ。こうしたレトロな装いに、ファーはまさしくびったりはまった。

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