雑学

火星の月を予言したガリバーのジョナサン・スウィフト

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火星の月を予言したガリバーのジョナサン・スウィフト

太陽系の4番目の惑星であり、地球の隣にある火星。

その火星にフォボスとダイモスという名の2個のお月さんがあるというのは天体ファンでなくてもかなり知られているが、18世紀の初期にその存在を予言した作家がいたことはあまり知られていない。

イギリスのジョナサン・スウィフト

その作家はイギリスのジョナサン・スウィフト。

あのガリバー旅行記を書いた人といえばピンとくるだろう。

ガリバー旅行記は

ガリバー旅行記は

ガリバー旅行記は、ご存じの通り、ガリパー船長が世界のあちこちを旅して、様々な冒険をするというストーリー。

当時のイギリス社会を風刺したこの小説の中に、例の予言のくだりがある。

大人国や小人国を歴訪したガリバーは

大人国や小人国を歴訪したガリバーは、空に浮かぶ飛島、ラピュタ島にたどりつく。

この島の住人は鳥人間で、天文学の水準もかなり高い。スウィフトは、ヨーロッパの天文学はその足もとにも及ばないと、皮肉たっぷりにこう記している。

現在の計算では

「彼らのはまた火星の周囲を廻転する二つの小星、すなわち衛星を発見しているが、その内側のものは主星の中心からその直径の三倍距離、外側のものはおなじく五倍距離にあり、前者は十時間、後者は二十一時間半の周期で廻転している」。

現在の計算では、フォボスとダイモスの軌道はそれぞれ、2.76と6.9倍だから、実に正確な予言と言えるだろう。

これには裏がある

これには裏がある

ところが、これには裏がある。

火星に二つの衛星があるということは、ガリバー旅行記の24年後、ドイツの作家、エバーハルト・クリスチャン・キンダーマンの小説、飛行船早回り世界一周物語、18世紀フランスの啓蒙作家ボルテールの風刺物語、ミクロメガスの中でも、火星には2個の月があると書かれている。

当時のヨーロッパ社会では

つまり、当時のヨーロッパ社会では、火星日衛星説は常識だった。というのは、あの偉大なドイツの天文学者ケプラーが、火星の衛星は2個あると言っているからだ。

ケプラーはこう説いている。金星には衛星がない。地球には一つ。火星の向こうにある木星には四つとすると、火星に衛星があるとすれば二つ・・と。

このケブラーの推理をスウィフトやボルテールが読んでいた、というのが今では定説となっている。しかし、スウィフトがなぜ、衛星の軌道まで知っていたのか。やはり、偉大な予言と言える。

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