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犬は言葉を話すことができるのか?

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野生の世界では犬もオオカミも群れをなして共同で狩りをおこない、群れの中で互いの地位を尊重し、乳離れはしたが、まだ狩りには幼すぎる子どもたちの面倒をみるなどの義務をはたす。ガードナーの分類した知能では、言語的知能がある。たしかに犬は口がきけず、言葉を発することはできない。そのため言葉を使うという高次の能力を獲得することは不可能である。

しかし、犬に言語的能力がないと決めつけるのは早計であろう。動物の知能の存在を試す手段として言語能力の有無を問うことにより、デカルトは人間以外のあらゆる動物の前に立ちふさがった。しかし一九七〇年代に、言語は人間以外の種には不可能であるというデカルトの説に、したたかな一撃が浴びせられた。動物言語の問題は、哲学の上では人間以外の動物に思考や意識を認めるか否かという議論の焦点になってきた。

犬は言葉を話せるだろうか

言語は常に人間ならではの特徴のひとつと考えられてきた。犬は言葉を話せるだろうか。犬ほどすぐれた会話の名手はいないだろう。心理学者べアトリクスとアレンのガードナー夫妻が、チンパンジーを使って突破口を開いた。人間の子ども同然に育て、人間の言葉を毎日たくさん聞かせる。ふたりはチンパンジーに言葉を教える試みが何度かおこなわれたのを知っていた。残念ながら、こうした実験では最も成功した例でも、初歩的な言葉が四つくらいしゃべれるようになっただけだった。

ガードナー夫妻は、動物に言葉を使わせる試みが失敗したのは、多くの訓練者が動物に実際にしゃべらせようとしたためだと考えた。ほとんどの霊長類は(そしてもちろん犬も)、人間のように舌、唇、口蓋、声帯をコントロールすることはできない。そのため霊長類は言語のその他の面が習得できたとしても、声に出して話すことはできないと思われる。サルには言葉が使えないと主張したがる行動主義心理学者の多くは、複雑な計算に相当する言語能力を習得しない限り、人間以外の動物が話せるとは認めたがらないようである。

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