雑学まとめ

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コミュニケーション

話自体は彼女のほうに向けられていても

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彼女の側からしますと、W氏が右から左へ移り、加えて右肩から上体に力が入って、やや前にのり出しているので非常に印象が強くなっています。その上、彼女のほうにまっすぐ右の手が向かっています。それは彼女に対して積極的に働きかける力を持っています。今や課長の売り込みを開始しようとした彼のすわり方は、彼女のほうを正しく向き、右の肘を右側の肘掛けに置いて、体重をそのほうに寄せ、体と腕がぴったりとついています。

次にW氏は左手を右手の上にのせました。上に向けた右手が左手を軽く握っている格好です。その左手の先は課長のほうを向いているので、話自体は彼女のほうに向けられていても、同時に課長の存在も常に意識されているのです。

W氏はいよいよ課長を売り込み始めようという態勢と見えました。このところはややこしいので、あなたもこのW氏の姿勢になってみてください「私、人間というものは、いつもその人の全部の面を見ないとわからないものだと思いました」「どうしてですの」「(課長のほうを見やって)この人は会社での仕事を見ていると、実に慎重で、時にはもっと決断力をもって早くしないかなと思う時もなきにしもあらずだったのですが、こうして立派な応接間に入って、話をしているのを見ますと、他の人が持っていない育ちのよさからくる鷹揚さというものをっくづくと感じさせるのです」

いえいえ、そんな

「いえいえ、そんな」「いや、私はお世辞を言っているのではなく、感想を述べているのです」「私、そういうことはあると思いますわ、人を全部理解するためには、いろいろな面から見ないと」「そうです。私もいつもそう思っているのですが、男というのはどうも会社のなかでの人間しか見る機会がなくて、なかなか日常生活のなかで落ち着いて暮らしているその人を見ることができないものです」「女性だってそうですわ、家のなかにいるものですから、つい人の噂でその人をきめてしまったり」「なるほど、男もそういう傾向があります。この人なども実を言うと、私、奥さんを亡くしたことをそんなにいつまでも深刻に考えなくてもいいんじゃないかと考えたりしていたのです」

その時、W氏はふたりの顔に共通した当惑の色と洪しさが、瞬間さっと走ったのを見逃しませんでした。W氏は大変思いきってふたりの心のなかにずっしりと入り込んだものです。

-コミュニケーション

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