ファッション

フェンディのショーでグレーのストライプのファー・コートを重ね

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フェンディのショーで、シャギーなモへアのドレスによく似合うグレーのストライプのファー・コートを重ね、その翌年のガイ・マティオーロのショーでは、シルクのパンツにファー・ジャケットを合わせるというように。こうした心変わりに対して霊々たる非難を浴びたキャンベルは、イギリスの『デイリー・エクスプレス」紙に、毛皮は好きだが頻繁には着ないし、絶滅危惧種の毛皮は絶対に着ない、と述べている。

PETAは彼女をスポークスパーソンから降ろした。キャンペーンを指揮したダン・マシューズは、キャンベルにこう書き送った。「高潔さというものは、あなたにはあまり意味がないのかもしれませんが、私たちには大ありなのです。あなたの名前と画像は、今後PETAが出すすべての文書から除去させてもらいます。本当に動物にやさしい、気骨ある大勢のファッション・リーダーたちの面汚しですから」。キャンベルは彼らを怒らせるような行動をとり続けた。

ずうずうしい二枚舌はメディアを喜ばせたが、気紛れなのは彼女だけではなかった。毛皮は、ファッションには周囲を見えなくさせる力があることを示す格好の例となった。スタイリッシュでいたいという強い気持ちには、一時的にモラルを捨てさせる力さえあることを見せつけた。

態度、原則、信念などに関係なく生じる

アリゾナ大学社会心理学科助教授のジェフ・ストーン博士は、ファー・ファッションを同調行為の一例と見ている。「同調行動は、自分がその状況に持ち込む価値観や態度、原則、信念などに関係なく生じることが多いものです。自分の行動を形作る他人の力が、時に自分自身の道徳的確信を覆してしまうわけですね」。

ファッション界がある方向に動けば(たとえ自分が賛成しない方向でも)それに従いたいという気持ち
初めからひたすらに毛皮を愛用し続けた擁護派もいる。だが、心の底では疑問に思いながらも、ただ単にはやっているからという理由でとにかく毛皮を買ってしまった人もいる。すんでのところで思いとどまったが、あとで、そういう考えが頭をよぎったことだけでも恥ずかしく思ったもの。

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