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デカルトの倫理-動物の行動で機械に置き換えられないものはないと断言

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デカルトは最後の飛躍を試みた。動物はまさに、たんなる命をもった機械にすぎないというのである。いかに複雑であろうと、動物の運動はいかなる意識も思考もともなうものではない。たとえば心臓の鼓動を制御するのに、私たちは意識を必要としない。彼は動物の行動で機械に置き換えられないものはないと断言している。理性や知性を必要とするようにみえる運動の中にも、実際には意識の働きを必要としないものもある。

たとえば熱いものに触れていそいで手を引っ込めるとき、その行為は意志や意識が筋肉に命令を発したものではない。人間存在の中でも機械的な運動部分であり、消化や呼吸など多くの身体機能も同様である。デカルトによれば、動物の行動はこのレベルに相当する。デカルトは、動物が魂のない、たんなる機械であることを示すために、いわゆる証明を数多くおこなっている。証明の中には机上の空論にすぎないものもある。

人間と同じような思考能力があるとするなら

彼らの基本的な身体機能も、また一見状況に反応しているがごとくにみえる行為も、すべて意識、知能、自覚、あるいは魂と一切関わりはもっていない。彼ら(動物)に人間と同じような思考能力があるとするなら、彼らは人間と同じように不滅の魂をもっていることになります。ある動物にそれを認めれば、すべての動物にも認めざるをえませんが、多くの動物は、そう信じるにはあまりに不完全です。

ですから、それはありえません。これはおかしな理屈である。たとえばニューキャッスルの侯爵夫人が、二世紀後にダーウィンが提起することになる問題を口にしたことがあった。彼女はデカルトに、人間と同様な器官をもつ動物には程度はきわめて未熟ながら人間と同様な思考能力がある、とは考えられないかと訳ねた。この問題を実証にもとづいて議論する代わりに、デカルトはひたすら自分の原則を押し通した。果たして動物に人間と同様な思考能力があるのだろうか。

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