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デカルトの仮説-動物に心はあるのか?

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デカルトの目標は、動物は意識も知能ももたない、たんなる機械である、という仮説を証明してみせることにあった。彼はルイ一四世がそこで生まれ、居城としたサン・ジェルマン・アン・レー宮殿の庭にある等身犬の自動人形を観察し、その命題は理にかなっていると確信した。動物には魂がないという基本原則を受け入れ、優秀な頭脳を駆使して、科学的、哲学的、神学的見地からこの命題の正当化に努めた。

彼はまず反対派の人々をなじることから始め、罪深き者として非難し、動物に人間と同じたぐいの魂があるとする仮定ほど、弱い人間をまどわせ、美徳の正道から踏みはずさせるものはないと指摘している。ある洞窟では、ギリシャ神話のオルフェウスをかたどった人形が堅琴で美しい音楽を奏でた。その堅琴の音につれて鳥が歌い、彼のまわりで動物たちが跳ね踊った。イタリアの人形作りトマス・フランチーニの手になる人形は、いずれも水圧の力で数多くの歯車が回り、一連の複雑な動作をおこなう巧妙な機械じかけになっていた。

機械的な原則に支配された一定の動きをおこなう

一六四一年に出版された人間論の中で、デカルトは人間の身体と王宮の自動人形、すなわちオートマトン、とを比較検討している。彼は心臓を水源に、脳の中のさまざまな艦を水の貯蔵タンクに、筋肉を歯車、バネ、滑車など人形を動かすさまざまな部品にたとえている。彼は人間の肉体の神経と、神経のもつ起動力は人形の中を通る管と水流に相当すると考えた。ある洞窟では、英雄ペルセウスが竜と戦った。彼が竜の首をはねると、竜は水に沈んだ。敷石に体重がかかると安全弁がはずれ、水が人形の中にめぐらされた管を通って流れ出し、動作が引き起こされる。

人形たちは、訪れる人が通路で特定の敷石を踏むと動き出すしかけになっていた。デカルトは続いて人間の身体はこれらの自動人形とある部分では似ており、機械的な原則に支配された一定の動きをおこなうとしている。しかし機械の動きがいかに複雑で、人形作りがいかに巧妙精緻な動作を作り出したとしても、機械は所診人間にはおよばない。人間は肉体(機械によって制御される)のみならず、魂(精神によって制御される)をもっている。魂や頭脳の有無は、思考力と意識の有無を決定する。デカルトの説によれば、すなわち人間と機械のちがいは、人間は考えるが機械は考えないという点にあるようである。

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