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番犬 猟犬、牧羊犬は、人間にとって有用であるから生き残る資格がある

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イスラム教で犬が最大の活躍をするのは、経典に出てくる七人の眠れる人の物語であろう(ただし、キリスト教でも同じような物語が形を変えて残っている)。ある種の犬、とくに番犬、猟犬、牧羊犬は、人間にとって有用であるから、彼らは生き残る資格がある(言い伝えによれば、預言者自身も実際にサルーキ犬を持っていて、狩りで使っていた)。

こうした配慮から、黒い野良犬、それもとくに眉のあたりに自い星のあるもの(アラブ人にとっては悪魔のしるしである)だけが殺されることになった。国家が奨励する宗教を強化するために、キリスト教徒その他の無信心者が犬量に迫害を受けた。ローマ帝国でデキウスがわずかのあいだ、皇帝となった紀元二五〇年頃のことである。男のひとりが飼っていた愛犬が、逃げる彼らのあとに従った。洞窟に着いたとき、仲間は犬キトミールという名だったが映えて隠れ場所が見つかることを恐れ、犬を追い出そうとした。

シーリウス山の洞窟へ身を隠した

エフェソス(現在の西トルコ)の町で、七人のイスラムの信仰心厚い男たちがシーリウス山の洞窟へ身を隠した。そのとき神は犬に言葉を与え、こう言わせた。私は神に愛される者を愛します。私が番をしましょう。ですからお休みください。デキウスは近くの洞窟に異教徒たちが身を隠したのを知り、すべての洞窟の入口を石でふさくことを命じた。男たちは洞窟の壁にもたれて眠りにつき、犬は入口のほうに前脚を伸ばして座り、見張りを始めた。

キトミールは洞窟がふさがれてもひたすら不寝の番を続け、男たちの眠りが邪魔されないよう守った。やがて彼らは忘れられ、三〇九年のあいだ眠り続けた。イスラム教の伝説では、犬のキトミールは死んだあと天国へ入ることを許されたという。ついに採掘者たちが山を掘り起こしてその眠りが覚まされたとき、犬はやっと身を起こし、任務を終えて世の中へと戻った。その頃には彼らの信仰も認められていたのである。

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