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心理学

アフリカゾウたちの愛

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ティアはオスゾウたちを避けていた。ところが、自分よりずっと年上のバッドブルを目にした瞬間、ティアはころりと態度を変えた。バッドブルはいかにも頼りがいのある堂々たるオスゾウで、発情期に入っていて、胸を張った彼の姿が視界に入ったとたんに、ティアはバッドブルに惹きつけられた。

自然誌研究家シンシア・モスは、何年にもわたってケニアのアンボセリ国立公園内でアフリカゾウ集団を追跡調査していたのだが、ティアはそのグループに所属するメスゾウだった。調査期間中、モスは多くのメスゾウがティアと同じように相手を選んでいるようすを観察している。ティアは、彼女にさかりがついたことに気づいて周囲に群がりはじめた若いオスゾウのどれにも興味を示さなかった。

彼のほおには分泌物がしたたり、尿が脚をつたい、泡がいっぱい付着していた。この好色漢がふんっと鼻を鳴らしただけで、若いオスたちはそそくさとその場を去っていった。しかしティアはちがった。

バッドブルをうしろにしたがえたティアは、瞬く間に姿を消した。ここから、時間を超えた自然のダンスのはじまりだ。バッドブルがティアに追いつくと、長き一二〇センチはあろうかという彼の巨大なシンボルが灰色の長い獣から姿を現した。

バッドブルはついてきていた

ティアは両耳を高く掲げたさかりのポーズをとってバッドブルを見上げていた。やがて彼女もその場を立ち去りはじめた。ただし、ほかの若いオスゾウを相手にしていたときとはちがい、去りながらも、たびたび肩越しにうしろを振り返り、バッドブルがついてきているかどうかをたしかめていた。バッドブルはついてきていた。

やがて彼は彼女のうしろにそっと近づいた。ティアは足を止め、一瞬動きを止めたあと彼に向かってあとずさり、身構えた。両脚を広げ、じっとしていた。バッドブルは勢いよく彼女の背に乗り、たくみに前方へ向け、彼女へと沈めていった。

触れ合わせ、低く、やわらかな、長いうなり声で、ゾウの「会話」を交わして時的なこととはいえ、ティアはこの健康的で、雄々しく、堂々たるオスゾウに、心つけられていたように見えるのだった。

-心理学

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